夢は未来に色褪せない

日々の思い出

出身:山

いなかで育った。
東京で暮らすようになってから、いなかで育ったと人に話すとかなりの確率で「あーうちも地元いなかなんだよね〜」と言われる。「へえ、そーなんだね^^」と口では適当に返すが私はその度に、心の中で思っていた。
おまえらの言ってるいなかと私の言ってるいなかはなんか違うらしいって知ってんぞ!

「でっかいイオンが出来るまで何もなかった」「全然電車が来ない」「家と畑ばっか」
話を聞いてると、私以外のいなか出身者はだいたいそのような共通認識があるらしく、いなかあるあるで盛り上がっているじゃないか。楽しそうである。とても加わりたい!

しかし私にとってそれは「都会」に分類されてしまうのだ。だってイオンと駅と住宅地があれば都会じゃないか!
話は変わりますが、新幹線に乗っていて、車窓から田畑の真ん中にズドンとそびえる巨大なイオンを見つけると「つ、ついにこの地まで来たか…」と謎のワクワク感に襲われ、頭の中でドラクエのテーマが流れ出します。

さて、私の地元は、最寄り駅まで10kmあり、しかも山を二つ越えなければなりません。「山のふもとに家がある」なんて可愛く言えたらいいが、そもそも山の中に家がある。災害などあれば真っ先に孤立する集落でしょう。
母校の小中学校は廃校寸前で、保育園はすでに一人も園児がいないらしい。
Googleアースで実家上空付近を見ると緑色。
そのあまりのいなかっぷりに、東京で知り合った、いなか出身者の友人を招いて絶句させてしまった。

そこで思った。
もういっそこの僻地を「いなか」と表すのをやめたらいいんじゃないか。
私が「いなか」と言うせいで他のいなか出身者との間に越えられない溝ができ、話が面倒くさくなっている気がする。

次からは声を大にして「山」出身と言いたいです。